内窓を付けたのに思ったより寒い。エアコンの効きが変わった気がしない。この相談は実際に届きます。そして多くの場合、内窓が効いていないのではなく「窓以外に熱が逃げている」か「付けた場所が足りていない」かのどちらかです。原因は5つに整理できます。順に確認してください。
原因1|部屋の窓を全部は付けていない
いちばん多い原因がこれです。断熱は「いちばん弱いところ」で決まります。掃き出し窓だけ内窓にして、同じ部屋の腰高窓や小窓を残すと、残した窓から熱が逃げ続けます。
国の先進的窓リノベ事業も自治体の助成も、「居室の窓をすべて改修すること」を条件にしている制度が少なくありません。これは制度側の都合ではなく、部分的な改修では効果が出にくいことが分かっているからです。予算の都合で分けるなら、部屋単位で区切るのが正解です。「1階の掃き出し窓だけ」ではなく「リビングの全窓」から始めてください。
原因2|内窓と既存窓の間に隙間が残っている
内窓の断熱は、2枚の窓のあいだにできる空気層が担っています。この空気層が外とつながっていると、性能はほとんど出ません。
- 既存のサッシの気密材(ゴム・モヘア)が劣化していて、外気が入り込んでいる
- 既存窓のクレセントが甘く、閉めきれていない
- 窓枠の奥行きが足りず、無理な納まりになっている
- 内窓を開けたまま使っている(意外とあります)
とくに1つ目は見落とされがちです。内窓を付ける前に、既存窓の気密材を交換しておくと結果が変わります。築15年を超えていれば、まず既存窓の状態を見てください。
原因3|熱が逃げているのが窓ではなかった
住宅から逃げる熱の大部分は窓からですが、すべてではありません。次のような住まいでは、窓を直しても体感が変わりにくいことがあります。
| 状況 | 起きていること |
|---|---|
| 床が冷たい・足元だけ寒い | 床下からの冷気。窓ではなく床下の断熱や気流止めの領域です |
| 玄関・廊下から冷える | 玄関ドアと、居室との間の建具のすき間 |
| 天井近くだけ暖かく足元が寒い | 暖気が上にたまっている。断熱ではなく空気の循環の問題 |
| 換気口から冷気が入る | 給気口の位置と風向き。塞ぐと結露するので調整で対応します |
当社はサッシの専門店ですが、窓を直しても解決しない住まいには、正直にそうお伝えします。窓だけ替えて「効かなかった」となるのがいちばん残念な結果だからです。
表の1行目のように床や足元だけが冷たい場合は、窓と床下のどちらから冷えているのかを先に床が冷たいときの見分け方で確かめると、窓に手を入れるべきかどうかの判断がつきやすくなります。
原因4|ガラスの種類が目的と合っていない
内窓のガラスには、断熱を狙うもの、日射を遮るもの、音を止めるものがあり、それぞれ得意分野が違います。「暑さ対策のつもりで断熱型を入れた」「防音のつもりで単板ガラスにした」というミスマッチは実際に起こります。
- 冬の寒さ・結露を止めたい → 断熱を重視したガラス構成
- 夏の西日・輻射熱を抑えたい → 日射を反射する構成。断熱型では効きが鈍い
- 音を減らしたい → 厚みの違うガラスを組み合わせる。断熱最優先の構成とは別物
目的が2つ以上あるなら、優先順位を決めてから選ぶことになります。全部を最高にすることはできません。
原因5|期待していた変化と、実際に起きる変化がずれている
これは製品の問題ではなく、事前の説明の問題です。内窓で確実に変わるのは、窓ぎわの冷え、窓からの下降冷気、結露、外の音です。一方で、次のようなことは内窓だけでは起きません。
- 部屋全体が数度単位で暖かくなる(暖房の効きは良くなりますが、暖房なしで暖かくはなりません)
- 外の音が完全に消える(減りますが、ゼロにはなりません)
- 床の冷たさが消える(原因が床下なら変わりません)
当社は、効かない可能性がある場合は契約前にお伝えします。「窓を替えれば全部解決します」と言う業者には、その根拠を聞いてみてください。
それでも改善しないときの確認順
- その部屋の窓は、小窓まで含めて全部内窓にしたか
- 既存窓の気密材は生きているか(紙を挟んで抜けるか試す)
- 内窓と既存窓を、両方きちんと閉めて鍵をかけているか
- 寒さを感じるのは窓ぎわか、床か、足元か
- 選んだガラスは、目的に合った構成だったか
1〜3で改善するなら施工か使い方の問題、4で床なら窓以外の問題、5ならガラスの選び直しです。
「付けたのに効かない」をご相談ください
他社で施工された内窓でも構いません。サッシ歴60年以上・自社職人の専門店として、どこから熱が逃げているのかを見て、窓で直せるのか窓以外なのかを正直にお伝えします。現地調査・お見積もりは無料です。
あわせて読みたい