「築30年の家が寒い。内窓で本当に変わるのか」。よくいただくご質問です。結論から言えば、築古の家ほど内窓の効き幅は大きくなります。今の窓が単板ガラスのアルミサッシなら、差がはっきり出ます。ただし築古ならではの確認事項があり、そこを飛ばすと工事ができません。順に説明します。
なぜ築30年の家は寒いのか
理由は断熱材ではなく、多くの場合窓です。当時の住宅で標準だったのはアルミサッシ+単板ガラスという組み合わせでした。
- アルミは熱を非常によく伝えます。枠そのものが外の冷たさを室内へ運びます
- 単板ガラスは1枚。空気層がないので、外気とほぼ直結です
- 気密材(ゴム・モヘア)が寿命を迎えています。10〜15年でへたるので、築30年なら間違いなく劣化しています
つまり「断熱が弱い窓」に「すきま風」が加わっている状態です。内窓はこの両方に同時に効きます。だから築古で効き幅が大きくなります。
内窓で変わること・変わらないこと
| 変わること | 変わりにくいこと |
|---|---|
| 窓ぎわの冷え、窓から下りてくる冷気 | 床の冷たさ(原因が床下なら別の工事です) |
| 窓ガラスの結露 | 壁や押入れのカビ(換気と断熱の別問題) |
| すきま風、風の音 | 玄関・廊下からの冷気 |
| 暖房の効きの立ち上がり | 暖房なしで暖かくなること |
くわしくは内窓を付けても寒い・効果がない5つの原因をご覧ください。期待と結果がずれる原因のほとんどは、寒さの出どころが窓ではなかったケースです。
築古で先に確認すべき5つ
| 確認すること | 問題があるとどうなるか |
|---|---|
| 窓枠と下地の腐食 | 内窓を固定できません。先に補修か窓の交換が必要です |
| 建て付けのずれ | 既存窓が閉まりきらないと、2枚の窓の間の空気層が外とつながって性能が出ません |
| 窓枠の奥行き | 足りなければふかし枠で対応しますが、カーテンと干渉することがあります |
| 既存窓の気密材 | 劣化していると内窓の効果が目減りします。先に交換しておくと結果が変わります |
| 窓の種類 | ルーバー窓や出窓は納まりに条件が付きます |
とくに2つ目の建て付けは見落とされがちです。築30年の引き違い窓は戸車がすり減って沈んでいることが多く、閉めてもすき間が残ります。この状態で内窓を足しても、期待した性能は出ません。当社は内窓の採寸時に既存窓の状態も見ます。設置できるかどうかの判断は内窓が設置できない窓・向かない窓にまとめました。
窓を替えるか、内窓を足すか
築古では「いっそ窓ごと替えたほうがいいのでは」と考える方も多くいます。判断の軸は3つです。
- 枠が生きているか。腐食や変形がなければ内窓で足りることがほとんどです
- 工事の規模。内窓は室内側だけの工事で足場が要らず、1窓あたり短時間で終わります。外窓交換は工事が大きくなります
- 補助金。国の制度は内窓・外窓交換・ガラス交換のいずれも対象ですが、額は工法と製品で変わります
枠が傷んでいる場合は、壁を壊さずに枠ごと替えるカバー工法という選択肢があります。
中古住宅を買う前なら、窓を見てください
これから築古の中古住宅を購入される方へ。内覧のときに窓を見ておくと、入居後の寒さがかなり予測できます。
- サッシの枠がアルミか、樹脂か(見た目の色と手ざわりで分かります)
- ガラスが1枚か2枚か(窓の端を斜めから見ると層が見えます)
- 窓の開け閉めが重くないか(戸車の摩耗と建て付けの目安)
- 下枠に水が溜まった跡やカビがないか(結露の履歴)
- 窓枠に奥行きがあるか(内窓を後から足せるか)
アルミ+単板であれば、入居後に内窓で改善できる余地が大きいということでもあります。「寒い家」ではなく「伸びしろのある家」と見ることもできます。
地域ごとの事情もあります
同じ築30年でも、地域の気候で出る症状が違います。当社が施工している地域については、それぞれの住宅事情に合わせた記事を用意しています。
その窓に内窓が付くか、写真で判断します
窓の全体、窓枠の奥行き、サッシに貼られたメーカーのシールが写ったお写真をお送りいただければ、内窓で足りるのか、先に直すところがあるのかをお伝えします。サッシ歴60年以上・自社職人の専門店です。現地調査・お見積もりは無料です。