まとめ
内窓は後悔する?「効果なし」「必要ない」と言われる本当の理由
「後悔した」という声がなぜ生まれるのか、どういう条件のときに満足度が下がるのかを、サッシ歴60年以上の立場から1本にまとめています。設置を迷っている段階の方はこちらからお読みください。
内窓は断熱・防音・結露に効果のある工事ですが、良いことばかりではありません。施工する側が不利になることも含めて、契約前に知っておいたほうがよい点を正直にまとめます。ここを理解したうえで判断していただいたほうが、結果的に満足度が高くなります。
1. 窓の開け閉めが2回になる

最も多く聞く不満がこれです。既存の窓に加えて内窓を開ける動作が増えるため、窓を頻繁に開ける部屋では毎日の手間になります。
対処法:部屋を選んで付けることです。掃き出し窓から出入りする部屋や、毎日大きく換気する部屋は優先度を下げ、寝室・書斎・北側の部屋など「締め切っている時間が長い部屋」から始めると、手間を感じにくくなります。全部の窓に付ける必要はありません。
2. 掃除する面が増える
ガラス面が2枚になるため、拭く面積は単純に増えます。加えて内窓と外窓の間にホコリが溜まります。手が入りにくい構造だと掃除しづらくなります。
対処法:内窓は取り外しやすい構造の製品を選ぶこと、レールの溝が浅いタイプを選ぶことで負担が下がります。実際には「結露を毎朝拭く手間」がなくなるため、トータルの手間は減ったと感じる方が多いのですが、掃除の種類が変わる点は理解しておいてください。
3. 窓枠の奥行が足りないと、そのままでは付かない
内窓は既存の窓枠の内側に取り付けます。枠の奥行(内法)が不足していると設置できません。これは築年数や窓の仕様で決まっており、住まいの側では選べません。
対処法:「ふかし枠」という部材で奥行を作り足します。多くの場合これで解決しますが、枠が室内側へ出っ張るぶん、窓辺の見え方が変わります。カーテンレールと干渉することもあり、レールの移設が必要になる場合があります。採寸の段階で分かることなので、見積前に確認してください。
4. 既存の窓が結露することがある
内窓を入れると室内側は暖かくなりますが、既存の窓は外気に近い温度になります。その結果、内窓と外窓の間の空間で結露が起きることがあります。「結露を止めるために付けたのに」と感じる方がいる部分です。
対処法:室内側に水が流れ出るわけではなく、拭き取りの手間は従来より減るのが一般的です。内窓の気密を適切に確保し、室内の換気を保つことで軽減できます。加湿器を窓際で使っている場合は、置き場所の見直しも効きます。
5. 部屋が少し狭く見える
枠が室内側に出るため、窓辺の奥行が数センチ縮みます。窓台に物を置いている場合は置けなくなることがあります。ふかし枠を使う場合はさらに出っ張ります。
対処法:枠の見付け(正面から見える幅)が細い製品を選ぶと圧迫感が減ります。色を壁や既存枠に合わせると、視覚的にはほとんど気にならなくなります。
6. 効果が感じられない場合がある
窓以外からの熱の出入りが大きい家では、窓だけ直しても体感が変わりにくいことがあります。床下や天井に断熱がない、玄関からの冷気が大きい、といったケースです。
防音についても、効き方は音の種類で違います。話し声や車の走行音のような空気を伝わる音にはよく効きますが、振動を伴う低い音(大型車の重低音、電車の地響き)には限界があります。「無音になる」わけではありません。
対処法:現地調査の段階で、窓が原因なのかを確かめることです。窓以外に主因がある場合は、当社からもそう申し上げます。床下断熱と窓断熱の優先順位も参考にしてください。
7. 賃貸では原状回復の問題がある
内窓は既存の窓枠にビスで固定します。取り外しは可能ですが、ビス穴が残ります。賃貸で原状回復が必要な場合は、そのままでは採用しづらくなります。
対処法:置くだけのタイプや、原状回復できる別の方法があります。賃貸でもできる窓の断熱・結露対策をご覧ください。分譲マンションの場合、窓の内側は専有部にあたるため内窓は施工できます。ただし届出や承認の要否は管理規約によって異なりますので、着工前にご確認ください。
ここまで不利な点を並べましたが、それでも内窓が選ばれるのは「費用対効果が窓の工事の中で最も高い」からです。外窓交換より安く、工事は1日で終わり、補助金の対象にもなります。デメリットの多くは部屋の選び方と製品の選び方で小さくできるものです。
向いている人・向いていない人
| 向いている | 冬の寒さ・結露・騒音に困っている/締め切っている時間が長い部屋がある/費用を抑えたい/補助金を使いたい |
|---|---|
| 向いていない | 窓を頻繁に大きく開ける部屋しかない/窓以外の断熱に主因がある/賃貸で原状回復が必要/完全な無音を求めている |
当社は施工する側ですが、向いていないと判断した場合はその旨をお伝えします。付けたあとで「思っていたのと違う」となるほうが、双方にとって損失が大きいためです。
よくあるご質問
Q. 内窓を付けて後悔する人はどんな人ですか。
A. 「窓の開け閉めが多い部屋」に付けた方です。掃き出し窓から頻繁に出入りする、毎日窓を大きく開けて換気する、といった使い方だと、2回開ける手間が毎日積み重なります。逆に、冬に締め切っている部屋や寝室では手間がほとんど意識されません。部屋の選び方で満足度が大きく変わります。
Q. 内窓を付けると既存の窓が結露しませんか。
A. 起きることがあります。内窓によって既存窓が外気に近い温度になるため、内窓と外窓の間の空間で結露する場合があります。ただし室内側に水が流れ出るわけではなく、拭き取りの手間も従来より減るのが一般的です。気密の取り方と換気で軽減できます。
Q. 窓枠の奥行が足りないと言われました。どうすればよいですか。
A. 「ふかし枠」という部材で奥行を作り足せます。多くの場合これで設置できますが、枠が室内側に出っ張るぶん、窓辺の見え方が変わります。カーテンレールとの干渉が起きることもあるため、採寸時に確認が必要です。
Q. 効果が感じられないことはありますか。
A. あります。窓以外からの熱の出入りが大きい家(床下や天井の断熱がない、玄関が寒いなど)では、窓だけ直しても体感が変わりにくいことがあります。また、防音は音の種類によって効き方が違い、振動を伴う低い音には限界があります。
Q. あとから外すことはできますか。
A. 取り外し自体は可能です。ただし枠を固定したビス穴が残ります。賃貸で原状回復が必要な場合は、置くだけのタイプなど別の方法を検討したほうが安全です。