内窓は「付けるかどうか」より、どのガラスを選ぶかで結果が変わります。同じ内窓でも、断熱を狙う構成と、音を止める構成と、夏の日射を切る構成は別物です。ここを取り違えると「付けたのに効かない」になります。目的から逆算する選び方を書きます。
ガラスで変わるのは4つ
| 変わること | 効くガラスの考え方 |
|---|---|
| 冬の断熱・結露 | 複層ガラスにして、室内側の面に断熱型のコーティングを入れる構成 |
| 夏の日射・西日 | 遮熱型のコーティングを、日射が当たる側に配置する構成 |
| 音 | 厚みの違うガラスを組み合わせる、または中間膜のある合わせガラスを使う構成 |
| 見え方・視線 | 透明か、型板(すりガラス調)か。浴室・トイレ・道路側で選び分けます |
重要なのは、この4つを全部同時に最大化することはできないということです。優先順位を1つ決めてから選びます。
目的別の選び方
冬の寒さ・結露を止めたい
いちばん多いご相談です。複層ガラスで、断熱型のコーティング(熱を室内に留める向き)を選びます。結露は「室内の湿気が冷たい面に触れて起こる」現象なので、室内側のガラス表面を冷やさないことが対策になります。単板ガラスの内窓でも空気層はできますが、結露を確実に止めたいなら複層をおすすめします。
夏の暑さ・西日を抑えたい

断熱型ではなく遮熱型です。ここが混同されやすい部分で、「断熱ガラスなら夏も涼しいはず」と思って選ぶと期待が外れます。断熱型は熱を逃がさない方向に働くため、日射そのものを跳ね返す用途には向きません。西向き・南向きの大きな窓は遮熱型を検討してください。
ただし遮熱型は冬の日射取得も減らします。「冬に日が入って暖かい部屋」なら、遮熱型にすると冬の体感が下がることがあります。方角と部屋の使い方で判断が変わります。
音を減らしたい
防音は断熱とは別の設計です。ポイントは2つあります。
- ガラスの厚みを内窓と既存窓で変える。同じ厚みだと特定の高さの音が共鳴して通り抜けます
- 合わせガラス(中間膜入り)を使う。膜が振動を吸収します
また、内窓と既存窓の間隔が広いほど低い音に効きます。ガラスだけでなく納まりも効いてくる部分です。どの音に効いてどの音に効きにくいかは内窓の防音効果はどれくらい?に正直に書いています。
視線を切りたい
道路に面した窓、浴室、トイレ、隣家と近い窓では型板ガラスを選びます。既存の窓が透明でも、内窓側を型板にすれば視線は切れます。逆に、既存が型板でも内窓を透明にすると外は見えないまま明るさだけ確保できるといった組み合わせもできます。
よくあるミスマッチ
- 暑さ対策のつもりで断熱型を入れて、夏の体感が変わらなかった
- 防音のつもりで既存と同じ厚みのガラスにして、音が抜けた
- 結露対策のつもりで単板にして、内窓側に結露が出た
- 明るさを気にして全部透明にして、道路側の視線が気になるようになった
いずれも「内窓が悪い」のではなく、構成の選び方の問題です。
補助金を使うなら、ガラスの選定が先です
国の先進的窓リノベ事業をはじめとする制度は、あらかじめ事務局に登録された対象製品であること、そして製品の性能グレードによって補助額が決まる仕組みです。つまりガラスの構成を先に決めないと、いくら補助されるかも決まりません。
気をつけたいのは、自治体の助成にも「国の補助対象製品であること」を要件にしているところがある点です。製品選定を誤ると、国も自治体も両方落とすことになります。当社は登録事業者として、補助対象になる構成かどうかを見積もりの段階で確認します。制度の金額・要件は年度ごとに変わるため、必ず各事業の公式でご確認ください。
決める前に確認したいこと
- その窓の方角(南・西向きなら日射の検討が要ります)
- いちばん困っていること(寒さ/暑さ/結露/音/視線のどれか1つ)
- その部屋の使い方(寝室、リビング、在宅勤務の部屋で答えが変わります)
- 窓枠の奥行き(構成によって納まりが変わります。カーテンとの干渉もここで決まります)
- 補助金を使うか
メーカーごとの製品の違いは内窓メーカー比較に、設置できるかどうかの判断は内窓が設置できない窓・向かない窓にまとめています。
目的に合う構成をお選びします
「寒い」「うるさい」「西日がきつい」――いちばん困っていることを教えていただければ、それに合うガラスの構成と、補助金の対象になるかをあわせてお伝えします。サッシ歴60年以上・卸売も行う専門店です。現地調査・お見積もりは無料です。