まとめ
話し声・犬の鳴き声・子どもの足音・交通騒音など、音の種類ごとに内窓がどこまで効くのかを1本にまとめています。ガラスの厚みの組み合わせ方まで具体的に解説しています。
窓の性能を左右するのはガラスだけではありません。ガラスを支える枠、すなわちサッシの材質が、住まいの快適性に想像以上の影響を与えます。現在の日本の住宅で選択肢となるのは、主にオールアルミ、アルミ樹脂複合、オール樹脂の三つです。この記事では、埼玉・東京で窓とサッシの工事を手がけるSYAA.LLCが、とくに迷いやすい「樹脂サッシ」と「アルミ樹脂複合サッシ」の違いを、性能・価格・耐久性の観点から整理します。
そもそも枠の材質で何が変わるのか
材質による差を決定づけるのは熱伝導率です。同じ厚みで比べたとき、どれだけ熱を通しやすいかを示す値で、数値が小さいほど熱を伝えにくい、つまり断熱性が高いことを意味します。
| 材質 | 熱の伝わりやすさ | 特徴 |
|---|---|---|
| アルミ | 非常に伝えやすい | 軽く強い。加工しやすく安価。熱は素通し |
| 樹脂(塩化ビニル樹脂) | 非常に伝えにくい | アルミのおよそ1,000分の1程度とされる |
| 木 | 伝えにくい | 意匠性が高いがメンテナンスが必要 |
アルミサッシが結露しやすいのは、この熱伝導率の高さが理由です。外気で冷やされた枠の冷たさが室内側までそのまま届き、枠の表面温度が室内空気の露点を下回るため、枠そのものに水滴がつきます。ガラスを複層に替えても枠がアルミのままだと、枠だけびっしょり濡れるという現象が起きるのはこのためです。
アルミ樹脂複合サッシとは
アルミ樹脂複合サッシは、屋外側にアルミ、室内側に樹脂を使ったハイブリッド構造のサッシです。外側は紫外線や風雨にさらされるためアルミの耐候性を活かし、室内側は熱を伝えにくい樹脂にすることで結露と熱損失を抑える、という考え方でつくられています。
長所
| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| 断熱性 | オールアルミより大幅に向上。樹脂サッシには及ばない | |
| 強度 | アルミの剛性により、大開口や細いフレームに対応しやすい | |
| 価格 | オール樹脂よりおおむね安価 | |
| 外観 | フレームを細く見せられ、シャープな意匠になる |
短所
屋外側にアルミが残るため、極寒地では枠の外側から冷えが回り込むことがあります。また、アルミと樹脂は熱膨張率が異なるため、長期的には接合部の挙動が生じ得ます。とはいえ製品として当然想定された設計がされており、通常の使用で問題になることはまれです。
樹脂サッシとは
樹脂サッシは枠全体が塩化ビニル樹脂でつくられたサッシです。北米や欧州、韓国などでは主流の仕様で、日本でも寒冷地を中心に普及が進み、近年は温暖地の高性能住宅でも標準採用が増えています。
長所
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 断熱性 | 三者のなかで最も高い。枠の結露が起きにくい |
| 気密性 | 枠が厚く、パッキンの納まりに余裕があるため気密を取りやすい |
| 防音性 | 枠自体が振動を伝えにくく、気密性の高さも効く |
| 耐食性 | 塩害に強く、海沿いでも劣化しにくい |
短所
樹脂はアルミより強度が低いため、同じ大きさの窓をつくると枠が太くなります。ガラス面積が相対的に減り、見た目が重くなると感じる方もいます。また、大開口では補強材が必要になり、重量も増します。価格はアルミ樹脂複合よりおおむね高く、紫外線による経年変化(濃色系での退色など)も考慮しておくべき点です。
三者の比較まとめ
| 項目 | オールアルミ | アルミ樹脂複合 | オール樹脂 |
|---|---|---|---|
| 断熱性 | 低い | 高い | 最も高い |
| 枠の結露 | 起きやすい | 起きにくい | ほとんど起きない |
| 価格 | 最も安い | 中間 | 最も高い |
| 枠の細さ | 細い | 細い | 太い |
| 大開口への対応 | 得意 | 得意 | やや不利 |
| 重量 | 軽い | 中間 | 重い |
| 向いている場面 | 非居室、コスト最優先 | 温暖地の一般的な住宅 | 断熱を重視する住宅、寒冷地 |
※製品シリーズやガラス仕様により実際の性能は異なります。数値の詳細は各メーカーのカタログをご確認ください。
どちらを選ぶべきか、判断の順序
1. 何を優先するかを決める
断熱性能を最優先にするなら樹脂サッシです。冷暖房費の削減、足元の冷えの解消、結露の根絶といった効果は、樹脂のほうが確実に上回ります。一方、大きな窓で開放感を確保したい、フレームを目立たせたくない、といった意匠面の要望が強いなら、アルミ樹脂複合が現実的な選択になります。
2. 窓の大きさと位置で使い分ける
家全体を一種類で統一する必要はありません。リビングの大開口はアルミ樹脂複合、寝室や水まわりの小・中窓は樹脂、といった使い分けは合理的です。断熱の効きは面積の大きい窓ほど大きく効きますが、大開口では構造的な制約も出るためです。
3. ガラスの仕様とセットで考える
枠だけ高性能にしてもガラスが単板では意味がありません。逆にガラスをLow-E複層にしても枠がアルミのままでは、枠が弱点として残ります。枠とガラスは必ずセットで検討してください。一般に、性能の向上幅が大きいのは「単板→複層」の段階で、そこから「複層→Low-E複層」「アルミ→複合→樹脂」と積み上げていく形になります。
リフォームで枠から替えられるのか
既存住宅で枠ごと交換する場合、選択肢は二つあります。
| 工法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| カバー工法 | 既存枠を残し、その上から新しい枠をかぶせる | 壁を壊さず1窓半日程度。開口はやや小さくなる |
| はつり工法 | 既存枠を撤去し、新しい窓を取り付ける | 開口サイズを維持できるが、外壁・内装の補修が伴う |
費用と工期を抑えたい場合はカバー工法が一般的です。ただし、そもそも枠の交換までは考えていない、という場合には内窓という選択肢もあります。内窓は既存窓の内側に樹脂サッシの窓を足す工事で、枠の交換をせずに樹脂サッシ相当の断熱環境を室内側につくれます。費用・工期の面でも導入しやすく、リフォームでの窓の断熱改修としては最も採用例の多い方法です。工法の選び方については窓・サッシ専門店SYAA.LLCのサイトでもご案内しています。
よくある質問
Q1. 樹脂サッシは何年もちますか?
A. 適切に施工された塩化ビニル樹脂のサッシは、一般に数十年単位の耐用が想定されています。ただし濃色系は紫外線による色調の変化が出やすいため、外観を重視する場合は色選びに注意してください。
Q2. 樹脂サッシは火に弱くありませんか?
A. 塩化ビニル樹脂は自己消火性を持つ材料です。防火地域・準防火地域向けには、認定を取得した防火設備仕様の製品が用意されています。
Q3. 補助金は枠の材質で変わりますか?
A. 国の窓リフォーム支援では、材質そのものではなく窓としての熱貫流率などの性能値によって区分が決まるのが一般的です。同じ樹脂サッシでもガラス仕様によって区分が変わることがあります※最新情報は公式サイトでご確認ください。
Q4. 今あるアルミサッシのままで、断熱を上げる方法はありますか?
A. 内窓の設置が最も一般的です。既存のアルミサッシを残したまま、室内側に樹脂の窓を追加することで、空気層と樹脂枠の効果が得られます。
まとめ
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違いは、突き詰めれば「屋外側にアルミが残るかどうか」です。断熱性・気密性・結露のしにくさでは樹脂サッシが優位、価格・フレームの細さ・大開口への対応ではアルミ樹脂複合が優位というのが基本構図になります。家全体で統一する必要はなく、窓の大きさと部屋の用途に応じて使い分けるのが合理的です。そして枠だけでなく、必ずガラス仕様とセットで検討してください。既存住宅で枠交換まで踏み込まない場合は、内窓によって室内側に樹脂サッシの環境をつくるという選択肢もあります※最新情報は公式サイトでご確認ください。
サッシ選びのご相談はSYAA.LLCへ
埼玉・東京で窓・サッシ・カーテンレール・エクステリアを専門に手がけています。既存窓の状態を確認したうえで、カバー工法・内窓・ガラス交換のどれが最適かを中立的にご提案します。現地調査・お見積りは無料です。
※本記事の制度・価格情報は2026年8月執筆時点のものです。
▼ メーカーごとの違いをまとめて比較したい方は、内窓メーカー比較(LIXIL・YKK AP・三協アルミ)もあわせてご覧ください。