サッシの納期は、短縮することはできませんが、読み違えを減らすことはできます。遅延が起きてから対処するのではなく、遅延を前提に工程を組むための考え方をまとめます。
納期が読みにくくなる時期は決まっている
| 価格改定の直前 | 旧価格を狙う発注が集中し、生産枠が先に埋まる。最も影響が大きい |
|---|---|
| 年度末(1〜3月) | 工事そのものが集中。メーカー・職人・配送車両が同時に逼迫する |
| 大型連休の前後 | 工場稼働と物流が同時に停止。日数計算に休止期間を織り込む必要がある |
2026年は主要3社の価格改定が8月・9月・10月に連続したため、その手前の期間が長く混み合いました。値上げのスケジュールは値上げ年表で追えます。改定日が分かれば、混む時期も逆算できます。
「標準納期」が示していない部分
カタログの標準納期は主に製作日数です。実際に現場へ入るまでには、以下が加わります。
- 受注処理特寸・別注は仕様確認のやり取りが入る。図面に不備があるとここで止まる
- 生産枠の確保混雑期の最大の変動要因。標準品でも枠が埋まっていれば待ちが出る
- 製作カタログが示しているのは主にここ
- 物流2024年以降の規制で読みにくくなった部分。長尺物は特に制約を受ける
- 搬入日の調整現場が動いていない日には入れられない
LIXILは2026年5月1日受注分から、サッシ・ドアの標準納期そのものを1〜2日延長しました。数字は小さく見えますが、複数の建具が絡む現場では搬入順の組み替えが必要になります。
遅延を前提にした工程の組み方
1. 発注前に「今の実際の納期」を確認する
カタログの日数で工程を組んでから遅れが判明すると、打てる手が限られます。組む前に分かっていれば選択肢が残ります。当社は発注の現場にいるため、その時点の実際の見込みをお伝えできます。
2. クリティカルパスになる建具を特定する
すべての建具が同じ重みではありません。それが入らないと次工程に進めないもの(外部建具、防火仕様、特寸)を先に押さえます。標準品の網戸やカーテンレールは後回しにできます。
3. 分納を前提に考える
全部が揃うのを待つ必要はありません。先に必要なものから入れて、工程を止めない組み方が可能です。配送回数は増えますが、現場が止まるコストのほうが大きい場合が多くあります。
4. 工種の入れ替え余地を残す
建具の遅れが確定した時点で、内装や設備の順序を入れ替えられるかを検討します。これは早く分かるほど選択肢が多いため、納期の確認を前倒しする価値がここにあります。
「旧価格で発注できたが現場に間に合わない」が最も避けたい結果です。価格を取りにいくと納期が犠牲になる時期があることを前提に、どちらを優先するかを案件ごとに決めておくと判断が早くなります。
発注時にお伝えいただきたいこと
| 現場の希望搬入日 | 「いつまでに」が分かれば、間に合う品番に振り替える提案ができます |
|---|---|
| 優先順位 | 価格優先か納期優先か。時期によって最適な選択が変わります |
| 分納の可否 | 受け取れる体制があるかどうかで、組み方が変わります |
| 代替品の可否 | 仕様変更を許容できる範囲が分かれば、選択肢を広げられます |
よくあるご質問
Q. 納期を短縮してもらうことはできますか。
A. 生産枠が空いていれば標準納期で入りますが、混雑期に「特急で」という対応は基本的にできません。短縮するのではなく、早く押さえることが唯一の対策です。
Q. 分納は可能ですか。
A. 可能です。全部が揃うのを待つと工程が止まる場合、先に必要なものから納品する組み方をご相談いただけます。ただし配送回数が増えるため、条件は都度ご相談ください。
Q. 発注後にキャンセルできますか。
A. オーダー製作品は生産に入ると原則キャンセルできません。標準在庫品は状況によりますが、いずれも早い段階でのご連絡が必要です。
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工程が決まっている案件は、仮の数量だけでも早めにご相談ください。発注時点の実際の見込みをお伝えします。
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