窓の防犯の相談で、いちばん多い出発点が「絶対に破られない窓にしたい」です。気持ちとしては当然なのですが、この目標の立て方だと、費用がいくらあっても足りません。
窓の防犯が目指しているのは、破られないことではありません。時間を稼ぐことです。
基準は「5分」です
一般に、侵入に5分以上かかると、多くの侵入者は断念するとされています。逆に言えば、数十秒で入れてしまう窓が狙われます。
ここから、対策の本質が2つに整理できます。ひとつは、実際に時間を稼ぐこと。もうひとつは、侵入しにくそうに見せることです。後者は着手される前に諦めさせる働きで、費用のわりに効きます。
一枚で完璧にするのではなく、手間を積み上げる
たとえば補助錠です。ガラス破りは、鍵の周りを割って手を入れ、クレセントを回す手口です。そこから離れた位置に補助錠があると、割った穴からは手が届きません。もう一度、別の場所を割ることになります。それだけで手間が増え、音も時間も増えます。
面格子は、外から見て「ここは面倒だ」と分かる対策です。破る手間そのものより、選ばれない効果のほうが大きいと考えたほうが実態に近いと思います。種類と、通風・目隠しとの兼ね合いは面格子の選び方と種類にまとめています。
逆に、この考え方がまったく通用しない相手が1つあります。無締りです。鍵が掛かっていなければ、破る時間はゼロです。補助錠も、防犯ガラスも、シャッターも、閉めて施錠されてはじめて時間を稼ぎます。いちばん費用のかからない対策が、いちばん効きます。
この考え方でいくと、選び方が変わります。高価なものを1か所に集中させるより、弱い窓それぞれに、手間を1段ずつ足すほうが効く場面が多くなります。予算が限られているときほど、この差が出ます。
5つの対策がそれぞれ何分ぶんの手間になるのか、どの手口に効いてどの手口には効かないのかは、窓の防犯対策5つの方法を比較で対策ごとに整理しています。目的別・予算別の組み合わせ方も、そちらに書いています。
「時間を稼ぐ」という考え方は、防犯性能の認定制度にも入っています。防犯建物部品(CPマーク)は、実際の侵入手口を用いた試験で、一定時間以上の侵入を防いだ製品に与えられる認定です。窓まわりでは防犯ガラス・サッシ・面格子・シャッター・雨戸が対象になります。見分け方は上記のページで説明しています。
動画のBGM:Otologic(CC BY 4.0)
動画内の数値は各自治体・各メーカーの公表値です。時点は動画内に表示しています。