内窓の効果は「断熱」「防音」「結露」と語られますが、実際に暮らしてみると変わるのはもっと細かい部分です。毎日の動作がどう変わるのかを、契約前に具体的に想像できたほうが失敗しません。施工した現場で実際に聞く話をもとにまとめます。
窓を開けるときの動作
換気のときは「内窓を開ける → 外窓を開ける」の2動作になります。閉めるときも2回です。網戸は外窓の外側にあるのでそのまま使えます。
この手間をどう感じるかは、その部屋で窓をどれくらい開けるかで決まります。寝室や北側の部屋のように締め切っている時間が長い部屋では、ほとんど意識されません。逆に掃き出し窓から毎日出入りする部屋では、確実に手間として残ります。
そのため当社では、全部の窓に付けることを前提にしたご提案はしていません。効果が大きく手間が少ない部屋から選ぶほうが、満足度が高くなります。
掃除のしかたが変わる
| 増えるもの | ガラス面が2枚に。内窓と外窓の間にホコリが溜まる。レールの溝の掃除 |
|---|---|
| 減るもの | 毎朝の結露拭き。窓枠やカーテンのカビ取り。サッシ下部の水滴の処理 |
| 頻度の目安 | 間のホコリは季節の変わり目に一度。日常的な掃除は従来と大きく変わりません |
「掃除の手間が増える」と説明されることが多いのですが、実際には手間の種類が入れ替わるという表現が近いと思います。毎朝の結露拭きがなくなることのほうを大きく感じる方が多くいます。
音の聞こえ方
変化が最も分かりやすいのが音です。話し声、犬の鳴き声、車の走行音のような「空気を伝わる音」はかなり小さくなります。窓を閉めたときの静けさが明確に変わるため、初日に気づく方がほとんどです。
一方で、大型車の重低音や電車の地響きのような振動を伴う音は、窓だけでは限界があります。これは壁や床からも伝わるためです。「静かになったが、無音ではない」というのが正確な表現になります。
冬の朝と夏の午後
冬:窓際の冷気(コールドドラフト)が止まります。窓のそばに座っていても足元が冷えにくくなり、暖房の設定温度を下げても同じ体感になることがあります。結露は大幅に減りますが、内窓と外窓の間で結露することはあります。
夏:遮熱タイプのガラスを選べば、西日の入る部屋で効果を感じやすくなります。ただし遮熱を強くすると、冬に日差しで暖まる効果も減ります。南向きのリビングは断熱重視、西向きの部屋は遮熱重視、というように部屋ごとに選び分けるのが現実的です。
見た目の変化
窓辺の奥行が数センチ縮みます。窓台に物を置いている場合は置けなくなることがあります。ふかし枠を使う場合はさらに出っ張ります。
枠の色は既存の窓枠や床に合わせて選べます。木目調を選ぶと、内窓を付けたというよりもともとそういう窓だったように見えることが多く、違和感が出にくくなります。色柄の選択肢はメーカーによって差があります。
カーテンとの関係
多くの場合、既存のカーテンはそのまま使えます。ただしカーテンレールが窓枠の内側に付いている場合、ふかし枠と干渉することがあります。この場合はレールの移設が必要になります。
採寸のときに必ず確認する項目なので、見積の段階で分かります。あとから追加費用になることは避けられます。
結局どの部屋から付けるか
- 困っている部屋寒い、結露する、うるさい。実感が最も大きく、費用対効果が高い部屋です。
- 締め切っている時間が長い部屋寝室・書斎・北側の部屋。開け閉めの手間を感じにくく、断熱効果も長く効きます。
- 滞在時間が長い部屋リビングは効果を感じやすい一方、掃き出し窓の出入りが多いと手間も出ます。使い方次第です。
- あとから足せます一度に全部やる必要はありません。1部屋試してから広げる進め方も可能です。ただし補助額の下限が5万円のため、少なすぎると申請できない点は確認が要ります。
補助額の合計が5万円以上であることが申請の条件です。中サイズの窓なら、SSグレードで1枚58,000円のため1枚から届きますが、小さい窓が数枚だと届かないことがあります。窓のサイズと枚数で変わるので、見積の段階でお伝えします。
よくあるご質問
Q. 網戸はどうなりますか。
A. 既存の網戸はそのまま使えます。網戸は外窓の外側にあるため、内窓とは干渉しません。ただし換気のときは「内窓を開ける→外窓を開ける→網戸はそのまま」という順序になり、動作が1つ増えます。
Q. カーテンはそのまま使えますか。
A. 多くの場合そのまま使えますが、ふかし枠を付けた場合はカーテンレールと干渉することがあります。レールが窓枠の内側に付いている場合は特に注意が必要で、レールの移設が必要になることがあります。採寸のときに確認します。
Q. 夏はどうですか。冬だけのものですか。
A. 夏も効きます。夏に室内へ入る熱の多くは窓からで、遮熱タイプのガラスを選ぶと冷房の効きが変わります。ただし遮熱を強くすると冬の日差しによる暖かさも減るため、部屋の向きに応じて選び分けます。
Q. 掃除はどれくらい増えますか。
A. ガラス面は2枚になりますが、結露を毎朝拭く作業がなくなるため、トータルの手間は減ったと感じる方が多いです。内窓と外窓の間にホコリが溜まるので、季節の変わり目に一度掃除する使い方が現実的です。
Q. 子どもが開けられますか。
A. 製品によってクレセントの位置と操作の重さが違います。小さなお子さんがいるご家庭では「勝手に開けられないほうが良い」という場合もあり、そこも含めて選べます。