内窓の主要メーカーは LIXIL(インプラス)、YKK AP(プラマードU)、三協アルミ(プラメイクEII)の3社です。当社はいずれの専属店でもなく、複数メーカーを横断して仕入れる建材卸です。どれを選んでも取引が成立する立場から、判断材料ごとに整理します。
まず、選ぶ前に決まってしまうこと
メーカー比較の前に知っておいていただきたいのは、既存の窓枠の奥行(内法)によって、そもそも選べる製品が絞られるということです。内窓は既存窓の内側に取り付けるため、必要な奥行が確保できないと設置できません。
不足している場合は「ふかし枠」を追加して奥行を作りますが、必要寸法と対応できる幅はメーカーによって差があります。そのため実際の現場では、「好きなメーカーを選ぶ」より「その窓で成立する製品の中から選ぶ」という順序になることがほとんどです。カタログ上の比較だけで決められない理由がここにあります。
判断材料ごとの整理

断熱性能
3社とも、2026年の補助金要件であるUw1.5以下(Sグレード)とUw1.1以下(SSグレード)の両方に対応する製品を持っています。同じグレードであれば、断熱性能に実用上の大きな差はありません。差が出るのはガラス構成(Low-E複層の種類、アルゴンガスの有無、中空層の厚み)で、これはメーカー選定よりも仕様選定の問題です。
防音性能
防音はガラスの重量と厚みの構成でほぼ決まります。厚いガラスや異厚合わせが選べるかどうかが実質的な差で、シリーズによって選択肢の幅が違います。線路沿い・幹線道路沿いなど防音が主目的の場合は、この点でメーカーが絞られることがあります。
色柄・意匠
最も差が出やすいのがここです。木目調の色数、枠の見付け(正面から見える幅)の細さ、和室向けの障子タイプの有無などが各社で異なります。既存の建具や床の色に合わせたい場合は、色柄からメーカーを選ぶという判断も現実的です。
納期
納期は時期と製品によって変動します。値上げ前の駆け込み時期は各社とも延びる傾向があり、「普段は早いメーカー」が常に早いとは限りません。工程が決まっている案件では、その時点での各社の納期を確認してから決めることをおすすめします。当社では発注時点の実態をお伝えできます。
補助金の対象区分はメーカーで決まらない
先進的窓リノベ2026事業の補助額は、メーカーではなく製品の性能(Uw値)と開口面積で決まります。2026年事業では一般複層ガラス等のAグレードが対象外になったため、Sグレード以上の型番を選ぶことが前提になります。同じシリーズでもガラス構成によって等級が変わるので、型番単位での確認が必要です。
当社が「中立に書ける」理由
内窓の比較記事は数多くありますが、その多くは施工店が書いたものです。施工店は取引のあるメーカーがあり、そのメーカーを選んでもらったほうが都合が良いという事情があります。これは悪意ではなく、構造上そうなるというだけのことです。
当社は建材の卸として3社すべてを扱っています。どれを選んでいただいても取引は成立するため、一社に寄せる動機がありません。そのうえで申し上げると、カタログスペックの比較で決まる場面は実は少なく、現況の納まりと色柄の好み、そしてその時点の納期で決まることがほとんどです。
よくあるご質問
Q. 結局どのメーカーが一番良いのですか。
A. 用途によって変わるため、一律の優劣はありません。防音を最優先するなら重量のあるガラス構成が組めるかどうか、意匠を優先するなら色柄と枠の見付け、コストを優先するなら納期と在庫状況が判断軸になります。既存窓の納まりによって選べる製品が絞られることも多く、実際には「現場で成立するもの」から選ぶことになります。
Q. なぜ卸だと中立に比較できるのですか。
A. 当社は特定メーカーの専属店ではなく、複数メーカーを横断して仕入れています。どのメーカーを選んでも取引が成立するため、一社を優遇する動機がありません。施工店の場合は取引のあるメーカーに寄る事情がありますが、当社にはその制約がありません。
Q. 補助金の対象になるかはメーカーで変わりますか。
A. メーカーではなく製品の性能で決まります。2026年事業では内窓はUw1.5以下(Sグレード)以上が要件で、各社ともこの基準を満たす製品を持っています。ただし同じシリーズでもガラス構成によって等級が変わるため、型番単位での確認が必要です。
Q. 既存の窓に合わないことはありますか。
A. あります。窓枠の奥行(内法)が不足していると、そのままでは内窓が付きません。この場合はふかし枠を追加して対応しますが、必要な奥行はメーカーによって差があります。現況の採寸が最初の判断材料になります。